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「お前はホント、そういうところ変わんないな。ボーッとしてるようでお前はちゃんとしてるよ。」
「そんなことないですよ。」
「いいや、現にそうだろ。俺が告ってんのに簡単には流されないのな。やっぱりお前に会って正解だった。」
「…大沢先輩。」
一瞬、風がふわっと吹き抜けて
私の髪を優しく揺らした。
「青野…、わかってんだろ?」
「えっ、あぁ…は、い。ですね。」
先輩の言いたいことがわかる私は戸惑いながらも返事をする。
「そっか。やっぱ気づいてたか?っていうか、聞いてるだろ俺の事?」
「ええ、詳しいことまでは聞いてないですけど…。」
「そっかぁ。やっぱ聞いてたか。」
先輩はベンチの背もたれに背中を預けると少し空を見上げてから目を閉じた。
私には昔から不思議な力があった。
それはーー
この世に存在しない人の姿を
見ることが出来ること。
そして何故か、私にはそういう人達が
青い光に包まれて見えるのだ。
だから…
先輩を見た時もーーーー
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