だからその手を離して。

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昼休みの教室内は、 人は疎らで閑散気味 だけど、 それでも、この人…… …鈴鳴さんがいると、 教室内の空気は ガラリと、違う。 …正直、意外だった。 こんな田舎……… …もとい、 地方の学校にこんな ハイスペックな美形や、 黒宮さんみてーな イケメンがいるとか 想像も付かなかったし? 学校の敷地面積も前に 通ってた都内の学校よりも 四倍広いしっ!! まあ…生徒数、 約二千人のマンモス校 らしいから? そりゃ、 こんだけ生徒多けりゃ イケメンの一人や二人 混ざってても、当然か… 「カエデくん、 シーブリーズの 匂いがするね? 香りの種類は何?」 「あ、これは…」 …応えようとしたら、 鈴鳴さんがオレの 首もとに 顔を埋めるように 近付けてきて?! あの、匂い確認するだけ なんだろーけど? …近すぎやしません? 息が掛かる距離で ちょっと動けば 首もとに唇当りそーな 絶妙な距離っスね~ 近すぎ近すぎっ!!! てか、さっきから やたらと鈴鳴さん、 スキンシップ多い んスけどっ?! 「あの…」 「なに?」 なに?! こっちがなにっ!!?! 何なんスか?その、 甘ったるい声? これがこの人の 平常運行なのか? こういう人なの? まだ出会って面識浅くて オレはひたすら困惑しか ないんですけどっ!!!! ………あ、 コウタがジュースのパックの ストロー、口に加えたまま 放心気味にこっち見てる… んで、なんか こんな空気の中?! 一人愉しそうに微笑を 浮かべる鈴鳴さんの笑顔は、 妖艶で美しくて… それはそれはもう、 非の打ち所が無い パーフェクトな お美しさで………… いや、あの、 えっと…えっと、 話題話題っっっ…!! なんか、とりま こっちも振ろうっ だってなんかさっ このメッチャ近い 距離っ… ほぼ密着されてる 距離をナンッットカッ 然り気に離す切っ掛け 作んねーとっ!!!! 「えっと… シーブリーズは、せっけんの 香り使ってますよっ! …っ…鈴鳴さんは、 香水付けてマスよねっ!! 何付けてるんデスカっ!?」
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