だからその手を離して。

4/8
前へ
/378ページ
次へ
…そう、言って オレの首筋辺りに顔を 埋め掛けてた鈴鳴さんの 肩を軽く押して離すと、 オレもにっこり笑って 鈴鳴さんと目を合わせた。 これなら露骨に離す ようにはならないしっ 目を合わせる為に 身体を離したみたいに なるから…… 気まずくは……… …って、今度は 顔が近いっス!!! 鈴鳴さんっ!?!!! おいいぃいぃぃっっ!! 「Diorのオム コロン 付けてるよ♪」 「…へぇ、爽やかで さっぱりした香り なンですね? ブランドの香水とかって あんまり、 …嗅いだことなくてっ」 …これはまあ、意外だった。 ガチ爽やかクセ無く、 さり気に漂わせる香りは 仄かに周囲を酔わせそーな… しかも鈴鳴さんみてーな 美形からこの香りが 漂ってきたら、 オンナじゃなくても クラクラさせそうでっ? やっぱ美形っ、ヤバイっ!! …てか、 Diorとかの ブランド香水って それまで、 ちょいオッサンくせー… とか思ってマシタよ。 …ナメてましたっ サーセンっ!!!! 「カエデくんは 香水とか使う?」 またまた甘い笑顔で 鈴鳴さんが、 オレの方に話題を 切り換えてきたしっ あの、顔近い… んでもって、 鈴鳴さんの腕が オレの座ってる椅子の 背もたれに回ってて、 軽く肩抱かれてる ようなこの構図…… なんで?なんでっ!! こんなに近い必要がっ? 「カエデくん?」 しまった!! 間を空け過ぎたから 鈴鳴さんが更に顔 近付けてきて、 オレに接近してくるっ!!!! いや、あの、 鈴鳴さんってこんな 人に接近しなきゃ 会話出来ない人なの? ねーよな?そりゃねーよな? あっ!!!! ひょっとしてオレ、 からかわれてるっ?!! 「こんなにいい香りなら、 今度オレも試して みようかなっ……」 咄嗟にオレがそう 言うと―――……… 「じゃあ、試してみる? 付けてあげよっか?」 「えっ!?いいんスか?」 「うん。付けてあげるよ?」 そう、優しく またまたまたまた 甘い笑顔で鈴鳴さんが 言うもんだからっ!?!! ……つい、 「じゃあ、ちょっとだけっ…」 ……て、返事したのが ヤバかっ た。 5bdfbf99-0426-4b75-823e-4a79de47f648
/378ページ

最初のコメントを投稿しよう!

400人が本棚に入れています
本棚に追加