だからその手を離して。

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「そー言うオマエも、 信用ならねーんだよっ」 「…………」 ?!???! …オレの名前、 出てきましたけど? これは、聞いていいのかな? いや、だってっ!!? 気になるっしょっ!!!!! 「あの…」 思わず黒宮さんの 顔を見上げて 目が合ったら―――… 「!!!!!!」 …凄いイキオイで 黒宮さんが、 さっきまで抱いてた オレの両肩掴んで、 胸元から引き離した。 …てか、黒宮さん。 大丈夫かな? 顔真っ赤なんだけど。 今日メッチャ暑いし、 さっきまでお互い くっついてたから オレも暑いんだけどっ もうっっっ!! 「あの、鈴鳴さん。 今の会話って、 オレも関係してる ハナシッスよね?」 「うん。ゴメンネ? 今はまだ話せないんだ?」 …そう言って、 鈴鳴さんはにっこり ステキに含み笑顔。 ああ、その含み笑顔。 お美しいお顔によく 映えてマスね? う~~~~~~~ん、 教えてくれないんスね? そんな鈴鳴さんの 笑顔に合わせて オレもやや引きつって 笑顔返しちゃったよっ… …そして、 その傍で複雑な 鬼みてーな形相の 黒宮さんが怖くて 直視できね―――っっ!!! 「…黒宮くんっ!!」 「…!!コウタっ…遅い…」 やっと教室に 戻ってきたコウタに、 オレは声を掛けた 途中で―――…… …? あれ?今、 なんか、引っ掛かったぞ…? 「…ああ、さっき俺を 呼びに来た座敷わらし…」 「座敷わらしって…」 「…っ!!」 あっ!!!! コウタっ?!さっき、 黒宮さんを "くん"付けで呼んでた?! 「やっぱり… 覚えられてないよね…」 少し苦笑いして コウタが、 目元を覆ってた長い前髪を 軽く掻き上げると、 「あっ!!オマエ、」 黒宮さんが目を丸くした。 「同中だった、 西條ヶ原…だけど…」 「…!!!! ああっっ!!オマエか。 ……今もやっぱ 座敷わらしだな?」 …ひでえ。 …キーンコーン…… あ、予鈴。 「じゃ、"またね"? カエデくん。 座敷わらしくん。」 鈴鳴さんがにっこり 席を立って教室の 出口に向かっていった。 「…おい。」 「!!っ…はい。」 まだ残ってた 黒宮さんが、 オレに声を掛けた。 「放課後、駐輪場で。」 「…うん。」 …思わず、返事を してしまった。 てか、さっきまで 鈴鳴さんに掴まれてた 手首。 まだ、地味に痛い。
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