今宵、新月の夜。

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――――――――――― 「黒宮さんっ――…」 ライン電話が着て、 ……家の近くまで迎えに 来てくれてた黒宮さんの 元まで向かって行ったら… 「これ被れ。」 て、渡してくれたのは ヘルメット。 「スゲ…」 …と、思わず声が 洩れた先に、 目に入ったのが、 黒宮さんが乗ってきた 中型の単車。 「Honda CB125R…っ!!」 ヤッッバッ!!!! テンション上がん だけどっ?! これ乗っていけんの!!?! 乗せてくれんのっ!?!! マジっ!!!!!!! …思わず、 気分ノリアゲでっ!!!! 黒宮さん半分そっちのけで ……サーセン。 バイクに魅入り掛けて しまってたらっ… 「後で沢山見て いーから乗れ。 行くぞ。」 「あっっ!ごめ… ………うんっ!!」 黒宮さんに促されて オレは急々とバイクの 後ろに股がった。 約束してた温泉は 明日なんだけど、 どーせ明日が休み だからってことで 今日、黒宮さん家に 泊まることになって、 一旦家に帰って 準備した後に黒宮さんが 迎えにきてくれたよっ …そんなわけで、 黒宮さんのバイク2ケツで 山道のカーブを緩やかに 走ってって、 あっという間に温泉街に 着いてしまった。 この時間でも 観光客が疎らに外を 彷徨いてたりしてて、 行楽ムード上がってんな。 それに、 この山岳地帯の地形?? (よくワカンネ。) …のせいか、 結構涼しい風が吹き 付けてきてて、 心地いいカンジ。 そんな風景を後目に 黒宮さんは、 オレを連れてサクサクと 目的地まで向かった。
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