夕暮れの空を眺めて待つものは

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「…春兄さま?」 ジト目で恨めしそうに睨んでしまうのも致し方ないことだと思う。 「あ…いやあ、すまん」 せめて事前に知らせてくれれば、とついつい恨み言を投げかけそうになった気配を察したのか、顔の前に大きな手をかざす。 「荷物持ちでもいいから、ついて来たいって押し切られてしまってな。前もって知らせられれば良かったんだが…。すまなかった」 ちょっぴり、しゅんとした顔をして謝られると、元妹としては許すしかない。末っ子というものは結局、兄には逆らえないのだろう、一生。 「…なんと言うかな、最近アレも元気がないみたいでな。お前たちの顔でも見れば気晴らしにでもなるかと思って、ついつい、な」 そして、兄というものは結局、弟たちを見捨てられないのだろう、一生。
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