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キッチンへ引き返している途中で、またピコンと電子音が鳴った。
それと同時に、玄関から軽やかな鈴の音が聞こえた。
「みーすみー!お兄ちゃんだよー!」
熊の遠吠えが聞こえた。
「はいはい、ちょっと待ってー」
慌てて玄関へと向かう。
カチャリと鍵を捻った瞬間、待ちきれなかったようにバアアアンと盛大に扉が開いた。
…危なかった。
瞬時に避けなければ直撃するところだった。
こんのぉバカヂカラめ。
「…いらっしゃい、春兄さま」
…と、あっちゃぁ………嵐のダブルパンチ…
「はろーはろー、可愛い妹よー!お兄ちゃんだよー!ん?あれ?もう弟か。まあ、どっちでもいいや、月兄さまだよーん」
混ぜるな危険の片割れがついて来ている。呼んでもないのに。
悪い予感ってどうして当たっちゃうんだろうねえ…。
嵐が来る予感、じゃなくて、嵐のような兄たちの来襲の予感、でした。
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