164 西へ来ないか 前

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164 西へ来ないか 前

「社長。今月の数字ですが。こちらをご覧ください」 「なんだよ?俺が見たってなんにも変らないよ?」 「そんな事いわないで見てください!それくらいできるでしょう?」 秘書に叱られた慎也は、渡された資料を読んだ。 「これは西営業所の成績だな……これがどうしたの?」 「この数字を見てください。債権の所です」 野口の示す箇所をじっくり読んだ慎也は、ゆっくりと椅子に背持たれた。 「知っているよ。得意先のうちへの未払いが溜まっているんだろう」 「そうです。そして……この資料をご覧ください」 「ええ!何これ?怖?」 慎也のデスクの上には手書きの名簿が置かれた。 「『清掃員小花さん出動依頼嘆願書』って。これは?」 驚く慎也に野口は肩を落とした。 「西営業所の全社員から、小花さんに掃除に来て欲しいという要請ですよ」 野口自身も夏山ビルの女子48人からコーヒーを飲ませろという嘆願書をもらった事はあったので、特にこれに驚く事は無かった。 「すげえな。うわ?所長の印もある。どうしてこんな事になったの?」 「これに関してメールが着たので簡単に説明しますと、本社だけずるい。西にも来させろ、という事ですね」 「何がずるいだよ?本社の特権だろう!一番綺麗な子を本社に置くのは当り前じゃないか」 そう問題発言した慎也は嘆願書をバーンと叩いた。 「それをずるいと言っているんでしょうね……」 「……待てよ?これは……」 慎也はおもむろに立ち上がると窓辺に寄った。 「なあ、野口。西って売り上げはあるのに債権だけたくさんあって困っているんだよな」 「左様です」 「得意先にお願いしても、なかなか薬代を払ってもらえないんだろう?」 「おっしゃる通りです。現場が頑張っているようですが」 「それは俺も知っている。でも、払ってもらない……。これは難問だよな……でもさ」 「でも?」 「フフフ……俺、良―い事思い付いた!」 面白い悪戯を考えついた子供のような顔で慎也はうんと力強く頷いた。 「西に清掃員さんに行ってもらおう!うん。それで行こう!」 興奮している慎也に野口は慌てて首を振った。 「あのですね。小花さんに何をさせる気ですか?」 「いいから!俺の話を聞け。あのな……」 嬉しそうに話す慎也の話を、野口はドキドキしながら聞いていた。 ◇◇◇ その頃、彼女はいつものように社内を清掃していた。 「こんにちは。日本衛材薬品です。所長は?」 「こちらです。どうぞ。今日も暑いですね」 彼女はそういって社内へ案内した。 「所長。お客様です」 「あ。ちょうど良かった!電話を回すからさ、出てくれないか?」 そういって所長は電話を保留し、彼女に空いている席に座らせた。 「この話し、私は君に一存するから。君が決めてくれ。あ、どうも」 こうして所長は製薬会社の人と話し始めたので彼女は内線2をぽちっと押した。 「お電話代わりました。河合です」 『美咲さん?俺、社長の慎也です。元気?』 「慎也社長ですか?その節はどうもお世話になりました」 美咲は驚きで、思わず椅子に座り直した。 『世話になったのはこっちだよ。でさ、またお願いなんだよ……」 彼の話しは、札幌西営業所に来て業務を見直して欲しいと言う事だった。 「なぜ私が?」 『帯広を立て直しただろう?同じく札幌西を救って欲しいんだよ』 「救うっていいますが、私は何も」 その後も慎也は、そんなこと無い、お願いだから助けて。美咲しか頼れる人がいない、このままでは西が沈んでしまうなどと説得した。 『……それにさ。君だけじゃないんだ。本社にいる小花さんっていう清掃員さんも西に掃除にいくからさ』 ……小花さんって。黒沼さんが可愛いって言ってた人だわ。 『……もしもし?美咲さん?』 「あ?すみません。少し考えさせて下さい」 こうして電話を切ったが、その後の野口の話しと所長と相談した結果、一度行かないと慎也は納得しないと言う事になり、美咲は札幌に行く事になった。 そんな時、小花は総務部長に呼び出されていた。 「ええと、小花さん」 「ごめんなさい!私、綺麗にしようと思って洗ったんですが、カーテンが少し縮んでしまって」 「その事ではありません」 「絨毯の穴ですか?あれは私ではありません!掃除を掛けたら穴になっていて」 「違います。あの」 「……リヤカーのパンクも私じゃないです!信じて下さいませ」 「ああ。信じています!だから今は私の話を聞いて下さい!!」 総務部長は、来週一週間西営業所に掃除に言って欲しいと説明した。 「西は古い建物で、今の清掃員がぎっくり腰で本来の実力を出せないそうです。そこであなたに助っ人に行って欲しいのです」 「話しは分かりましたが、私は派遣社員のなのでワールドに訊かないとお返事できません」 今日中に連絡が来るはずだと総務部長は言うので、小花はこれの指示に従うと総務部長に返事をしてさっさと会議室から出て行こうとした。 「待ってください。それとですね。西には総合研究室の河合美咲さんという女性が帯広からやって来ますので、粗相のないように」 「はい……失礼しました」 苦手な総務部長から逃れるように小花は5階の立ち入り禁止に戻ってきた。 「あ、メールが着たわ。吉田さん。私来週から一週間、西営業所のお掃除にいかないといけないわ」 「なんだって?ここはどーすんのさ」 「メールによると、代わりのオジサンがみえますわ」 「あの『子泣きジジイ』みたいな爺さんか?うわ、私、有給休暇取ろうかな」 そんなこんなで、週が明けて月曜日になった。 当日の朝。小花の家に姫野が迎えに来た。 「でも社長も大げさですわ。送ってもらう距離じゃないですもの」 「お前の家からは西は近いからな……まあ。初日だしそれくらいいいだろう」 本当は彼女の事が心の底から心配で、西営業所になんか行って欲しくないともがき苦しみ夜も眠れなかった姫野だが、そんな気配を見せたら彼女は自分を信用していない、とムキになると思いこの気持ちを必死に隠していた。 「それに美咲さんも来るしな。俺も挨拶したいし」 「優秀な方ですよね?鈴子はドジでのろまな亀だから……お叱りを受けないようにしなくちゃ!」 「ハハハ。美咲さんはそんな女性じゃないさ。何度も言うが帯広ではお前と同じ清掃員だし、優しいお姉さんだ。一緒に仕事をして色々教わってごらん」 すると小花は姫野の横顔をじっと見ながら言った。 「……姫野さん。一週間御留守にしますが、石原さんにイライラしないで、風間さんと仲良く、松田さんの言う通りに過ごして下さいね」 そういって彼の膝に手を置きた彼女に、彼はふっと微笑んだ。 「はい!お嬢様。肝に銘じます」 フフフと笑う二人の車はあっという間に西営業所に到着した。 姫野の愛車フェアレディの爆音を聞きつけて、西の社員が飛び出して来た。しかし、意地の悪い姫野はこれに背を向けて自分で助手席のドアを開け、彼女の手を取り、車から優しく降ろした。 「みなさん、おはようございます。鈴子、西の社員達だ」 「おはようございます。皆さま」 西営業所に夏山愛生堂の営業トップの姫野と誰もが振り向く八頭身美少女、小花が手を繋いでいるこの神々しさに、社員達は眩しくて目をつむっていた。 「く!こんなことではどうする?ああ。この度はお世話になります。所長の源田です」 彼は小花にすっと握手を求めたが、これの間に姫野がすっと入った。 「源田所長。約束をお忘れですか?彼女に一切触れないで下さい!」 「お前こそ。手を握っているじゃないか?」 「……鈴子。やはり帰ろうか」 「いやいや?小花さん!ようこそ西へ!」 さあさあ、と呼ばれた彼女は姫野と一緒に西営業所に入って行った。 「あ。姫野さん」 「美咲君。帯広から来てくれてありがとうな。今回はお世話になります。おい、鈴子、紹介するぞ、彼女が河合美咲さんだ」 「小花さん。初めまして。私は河合美咲と申します。仲良くして下さいね」 「こちらこそ!小花すずです。どうぞよろしくお願いします」 グレーのスーツ姿がやけにキュートな美咲と、白いシャツにベージュの麻のスカート姿の小花が仲良く話をしている光景に、西の社員からため息がこぼれて来た。 そんな空気をぶった切るように姫野は小花の肩に手をポンと置いた。 「美咲君。鈴子を頼む。それと私はこれで仕事に行くが、二人とも帰りの時間は迎えに来るからな」 「わかりました」 「いってらっしゃいませ、姫野さん!」 嬉しそうに見送る小花に複雑な思いを抱きながら姫野は愛車に飛び乗り、本社へと向かって行った。 「さて。お掃除ですわね」 「そうですね。向うに着替え室があります。小花さんは先に着替えた方がいいですね。それともうすぐここの清掃員さんが来る時間なので、来たら一緒に挨拶しましょうね」 「はい!」 頼もしい美咲にドキドキしながら小花はいつもの清掃服に着替え、やってきた清掃員と挨拶をした。 「私はもうオバサンだけど、みんな、スミレさんって呼んでくれるのさ。恥ずかしいけどさ」 「そんなことありませんわ。何年経っても名前は一緒ですもの。私もスミレさんと呼ばせて頂きます」 「私もです。それでですね……」 美咲はさっそく本領を発揮し始めた。 彼女の説明によると、業務内容の前に、不要な物を片付けたいと言う事だった。 「社内規定では書類は10年保管なので、古いものは排除します。それが終わったら、オフィスのデスクの配置を見直します」 部屋から排除するものは美咲が確認し赤いシールを貼るので、本日の小花とスミレは掃除をしてくれと彼女は説明した。 そんな中、西営業所の朝礼が始まった。 「みんな聞け!とうとう、うちの営業所に救いの女神が来てくれました。帯広の妖精、河合美咲さんと、本社からは夏山の天使、小花すずさんが西に舞い降りました!!」 やったーと一同は拍手をした。 「……この二人が揃う事は奇跡です。この時間を大切に仕事しましょう!」 そしてはしゃぐ社員達の前で美咲と小花が挨拶したが、フラッシュが眩しくて宜しくしか言えずに短く終わった。 そんな彼女達に社員達は声を掛けてきた。 「小花さん、得意先に行きたくないけど、行ってきます」 「はい。お気をつけて」 「河合さん。分からない事があったら、いつでも自分に聞いてください。社に戻って来ますから」 「ありがとうございます。あ、前を向いて歩いて下さいね」 こうして営業マンを送り出した社内には事務社員が残り、通常業務をスタートさせていた。 「さてと、美咲さん。私は掃除を、あ?」 すでに書類の整理や、埃を被った謎の機械をチェックしている美咲にびっくりした小花だったが、はあと息を吐いた。 ……私は私よ。自分のペースで…… 自分にそう言い聞かせた小花は、スミレと一緒に掃除を始めて行った。 その頃。 夏山ビルの秘書室では慎也が暴れていた。 「もう!何で御風呂はダメなの?」 「まだ掃除が終って無いそうです。お待ちください」 「ねえ。今日のお花は?いつもあそこに飾ってあるのに」 「小花さんがいないから……今週は無しです」 「もしかして、お昼寝は?ええ?それもダメなの?」 嘘だろうと頭を抱えた慎也の元に、秘書の西條が飛び込んできた。 「すみません!俺のスマホ見ませんでしたか?」 「また落としたんですか?自分で探すしかありませんよ」 マジかよと髪を掻きながら西條はドアを開けっ放しで出て行った。 「まったく。今日はまだ初日ですよ、あ、阿部相談役、どうなさったんですか」 廊下にいたあべちゃんを発見した野口は、彼に駆け寄った。 「野口くんか?あのさ、清掃員さんはどこ?私の薬なんだけどね。この二つの内、朝はどっちを飲むのかわかんなくなっちゃったんだよ……」 「そうですか。ではこっちを先に飲みましょう。こちらは昼に飲めばいいです」 二分の一に確率に賭けた野口は、こうしてあべちゃんを部屋に押し込み、秘書室に戻ってきた。 「やれやれ……あ、社長、何をしているんですか」 慎也はどこかに電話をかけようとしていた。 「……うるさい!あ、もしもし?源田所長?小花さん元気?もう帰してくれないかな、あ、ちょっと野口!」 慎也から電話を奪った野口は、彼の代わりに様子を訊ねた。 「そうですか。二人とも仲良く……それは何よりです。それに源田所長」 『なした?』 「夏山の大切な花を二つも預けたのですから。それなりの成果をお願いします。では」 そういってかなりきついプレッシャーの電話を切った野口に慎也はムスと口を尖らせた。 「何て顔ですか?だいたいですね。あの二人を送ると決めたのは社長ですよ?」 「わかっているさ。でも、いないとさ、こう寂しいっていうか」 「……それは社長だけではありませんよ」 そういって野口はくるりと背を向けてコーヒーを淹れ始めた。 「野口……お前、まさか」 「勘違いしないで下さい。彼女は姫野君の恋人ですし……私も(わきま)えています。これは恐らく私も社長も同じ思いでしょうね。頑張り屋さんの彼女の事が、恋愛対象とかそういう邪な思いをぶっ飛び越して、大好きなんですよ……」 「そうかもな。俺も菜々子さん命だけど、小花さんはいつも一生懸命だからさ、目の中の入れても平気そうなんだよ」 このセリフに思わず野口もふっと笑った。 「……彼女なら痛くないですか?フフ。はい、どうぞ」 ようやくコーヒーを口にした慎也は、これに安心して仕事を再開した。 その頃。 西では美咲がてきぱきと仕事こなしていた。 「所長。あの赤いシールを付けた書類はすべて廃棄していいものです。あとあの辺の機械は壊れた物で今は使用不可ですから、廃棄処分になります」 「なんと……こんなに?我々はゴミに囲まれていたのか?」 美咲は何とも言えずに苦笑いした。 「社員さんは毎日の仕事で手いっぱいですし。働き方改革で仕事の時間が限られているいので、こういう作業はどうしても後回しになるので仕方が無いですよ」 美咲はこの廃棄処分は小花の清掃会社のチームが来る時に一掃してもらうと話した。 「その他ですね、事務員の皆さまから、業務に関する提案や問題点を伺いました。これらの点を私の方でまとめて改善します」 「問題点を改善してくれるんですか?」 「はい。ほとんどがシステム関係ですので。私で対応できます。あとはええと営業の方か」 美咲はやはり利益を上げるために債権を回収しないとならないと説いた。 「しかしながら、すでに色んな手を打っておいでかと思いますので。私、作戦を考えますね」 「そうしていただけると助かります!」 「そうですか?では私、ここのパソコンをお借りしますね……」 懸命にキーボードを叩く美咲に感動していた源田であったが、もう一人の天使を目で追った。 そこではスミレと仲良く窓ふきしている彼女がいた。 ……せっかく彼女達が来てくれたんだ。目に見えた成果を出さなくちゃな。 西の主の源田は頬を軽く叩くと、自分の席に座り業務を再開した。 そんな一日の終りに西営業所に社員達が戻ってきた。 「お疲れ様でした。今日も暑かったですわね」 「小花さん、もしかして俺の心配をしてくれたんですか?わかりました。自分は明日、一日ここにいます」 「今、戻りました……。あ、美咲さん。早速データを送ってくれてありがとうございました。その通りにやってみたら、上手い具合に債権を回収できました!」 「良かったです。これでかなりセールスポイントが上がりましたよ」 「小花さん!玄関前の落ち葉を拾っておきました!」 「美咲さん!自分もウソみたいに債権を回収できました!褒めてください!」 こんな浮足立った西営業所に、例の男が現れた。 「失礼します。姫野です。小花、美咲君。帰るぞ」 「「はい」」 着替えや荷物を取りに行った彼女達を待つ姫野を西の社員達は羨望というよりも憎しみをこめて見ていたが、サッカーが得意の松木が彼に声を掛けてきた。 「よ!姫野、この前はサッカーで世話になったな」 「アレはフットサルでしたが。今日はどうでした?彼女達」 「うん。俺は朝直行で、今二人に会ったばかりだけどさ。いいね!小花ちゃんは可愛いし、美咲ちゃんはキュートだし」 「いい加減な……」 頭を抱えた姫野の背を松木は白い歯を見せながらバーンと叩いた。 「ハハハ。そんなに心配するな!この俺が付いているからさ!」 「姫野さん。お待たせしました」 「お待たせしました。あ。お財布?」 あわててバックをまさぐる小花に美咲は優しく声を掛けた。 「無いの?一緒に戻って探しましょう」 うんとうなずく小花は美咲と一緒に着替えた部屋に戻って行った。 「な?お前がいなくても平気だ、彼女達は!それよりも姫野。なして美咲さんまで連れて行くんだ?」 するとこの場に二人が戻ってきた。 「さあおいで、二人とも。松木先輩。今回美咲君は、鈴子の隣の家に宿泊するものですから、彼女は私が責任持って預かる事になりました。では、皆さんこれで」 「お疲れ様でした」 「御先に失礼します」 姫野は西の社員の前で、美咲と小花を優しくエスコートし、車に乗せて発車した。 「明日は二人で出社してくれ。帰りは未定だが、俺か風間が行くから」 「大丈夫ですわ。ねえ。美咲さん」 「はい。毎日じゃ大変ですよ」 「君達はそう言うが、こっちはそうはいかないんだよ」 姫野のスマホには、慎也。野口。風間。そして帯広からもしつこくメールが着ていた。 「今夜の夕飯は鈴子の行きつけのレストランに行こう。明日からは自炊するといい。それとな、美咲君。一度黒沼に連絡してくれないか?うるさくて敵わないんだ」 「そうですか?メールで送っておきますね。『異常なし』と。あ、電話だ。もしもし」 『何が異常なしだ?当り前だろう』 「何を怒っているんですか?今は何をしているの」 『お前の家の風呂に入っている。する事がないしな』 この会話が聞えた小花は思わず、くすと笑った。 『誰だ、今笑ったのは!小花か?おい、小花。美咲の足を引っ張るなよ』 これに小花は笑ってしまった。 「フフフフ。また御風呂ですか?フフフお好きなんですね」 コロコロ笑う小花におもわず口角を上げた美咲はまた後で連絡すると言って電話を終えた。 「美咲さんは3日間の予定ですよね」 「そうなの。帯広の掃除も大変だから」 仲良く話す後部座席の二人の会話を姫野は心地よく聞いていた。 ……『帯広の妖精』に、『夏山の天使』か。 彼女達を載せた夏山愛生堂の営業車は、夜の札幌の道を進んで行った。 少し渋滞していたが、三人はちっとも気にならなかった。 *西に来ないか 後編につづく。
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