第1章

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中身を見て愕然とすると同時に、矜持を全うできた我が親友の信念の強さ、意図しない本能からの悲しみに身が震え、涙が溢れてきた。我が親友、キング・クラブは、頭と、変形した両腕、両足のみ、霜が出るほどの温度で冷凍保存されて、まさしく彼の求めた矜持、一匹の蟹の末路を体現するように死んでいたのだ。 私は我が親友の、冷たくなった腕を取り、私は塩っ辛い蟹の身を食べた。
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