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自分が犯した過ちにミケットは気が付いたが、その時には玲に突き飛ばされていた。ミケットは床に叩きつけられたが、受け身を取って体勢を立て直した。
「フランジャー!」
ミケットは武器を呼び出した。キューブの転送装置が彼女に拳銃を送った。銃口は姉の方に向いていた。
ランレベル2に許されたマシーニャに関する全情報を彼はロードした。フランジャーの情報を閲覧すると対抗策が彼に思い浮かんだ。
「姉ちゃん! ごめん!」
玲は姉を横に引き倒した。その瞬間にミケットが持つフランジャーのトリガーがロックされた。高出力モードで同じマシーニャに向けた時の安全装置だった。
ロックを解除して撃つ前に玲の体当たりが命中した。手から離れたフェイザーを玲が奪い取った。馬乗りになって、玲はミケットにフランジャーを向ける。
「地球人風情が! この妾に――」
「うるさい! 僕をこんな風にして!!」
引き金に力を入れる。ミケットが機能停止したら、それがマシーニャ本星に伝わって動くと玲は知っていた。だから実のところ撃つつもりはなかった。
「わっ、やめて! 撃たないで! 妾が悪かった!!」
ミケットが潔く諦めると思ったら、意外にも無様に命乞いをした。油断を誘うための策としか玲は思えなかったが、姉には実際に効いた。
「れ、玲……だよね。なにもそこまで……」
「ほらお姉ちゃんも言ってる。妾も先ほどの無礼を詫びよう! もうしない!!」
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