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エナジードリンクの缶をテーブルに置いて彼は勝手口から外に出た。その物体には言葉にできない魅力があったからだ。両親も姉もキューブには言及していない。だから不審物に違いはなかった。
恐る恐る彼はそれに触れた。密度のある金属で作られていて冷たさを感じられる。箱の模様は幾何的なようで、ところどころに無作為さがあった。
持ち上げてみると、思っていたよりは力が要らずに持ち上げられた。それでも普段から運動不足の彼にはちょっとした重労働で、自分の部屋まで運ぶと息が上がってしまっていた。
蛍光灯の光に照らしてみると違って見えた。触った時は金属だと彼は思ったが、実際には灰色のプラスチックのようでもあった。
電気で光っていると彼は考えて、どこかバッテリー交換のための部分を探した。しかしどこにも繋ぎ目はなかった。光に変化があるから、蓄光塗料と言うには無理があった。
惹かれて彼は拾ってしまったが、どうしてこれが家の裏にあったのか考えなければならなかった。裏庭は道路に面していないため、通りすがりの誰かが不法投棄した可能性は低い。
裏の家の人間が塀越しに投げたと考えるのが自然だが、年齢を考えるとこんなことをするとは考えにくい。もしかして空から落ちてきたのかと彼は考えたが、現実的ではなさすぎた。
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