マシーニャ

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マシーニャ

 タイマーが鳴って、薬師玲は椅子から立ち上がって大きく背伸びをした。時計の針は既にてっぺんを迎えていたけれど、彼はまだ眠れなかった。  技術書展というイベントに彼は本を出すつもりでいた。事前に彼はいつまでにどれくらい書き進めなければならないかの見積もりを立てていたが、その見積もりは終ぞ遂行できなかった。  今日は休日だから徹夜には向いていた。休憩中の彼は一階のキッチンに入って、冷蔵庫を開けた。買っておいたエナジードリンクが横たわっていた。  プルタブを開けて、冷たいそれを喉に流し込んだ。いやにケミカルな味が口に広がった。リキャップできる大容量タイプで、彼は自室に持ち込もうとした。  戻る途中のリビングルームで彼は足を止めた。締め切られたカーテンの向こうがいつもと違う気がした。都会は街灯などで常に明るいが、今夜はそれ以上に明るい気がした。  ゆっくりと緑色の光が瞬いて、彼は異常を察知した。正体を確かめようと彼はカーテンを開いた。  裏庭に何かのオブジェが転がっていた。膝下までの高さがある立方体だった。表面にはプリント基板のような模様が刻まれていて、それが光源になっていた。
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