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「絶対月曜日の朝も、迎えに来るもん~~! どうしようどうしよう」
「まあまあ、落ち着いて。ジュースでも飲みなよ」
「ん……ありがと」
由巧から受け取ったオレンジジュースに、なんの疑いもなくまどかが口をつける。
ごくり、とジュースが喉を通っていくのを見届けて……
ただ見ているだけでは怪しまれてしまうと思い、由巧も同じくジュースに口をつけた。
よし、飲んだ。よし、よし、いける……!
まどかのコップがコトン、と置かれるのをみて、由巧もコップを机に置いた。効果が出てくるまで、少し時間がかかるはず……。
由巧は時計を見上げて、時刻を確認する。
時計の針は。10時25分……たぶん、10分くらいで効果が出るはずだ。
「ノート広げるから、ちょっとコップずらしていい?」
まどかにそう声をかけられて、由巧は遅れて反応した。
いけない。
このままでは怪しまれてしまう。
平常心を保たねば……まどかはいつも勘が鋭い。
「ん、じゃあ、勉強始めようか」
由巧は緊張をほぐすために、もう一度コップに口をつけて……ゴクリ、とジュースを嚥下した。
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