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「ほら、はやくー」なんて呑気に催促をされるが、由巧はもう、何も考えられないくらい切羽詰まった状態であった。まどかの言うことに逆らわず、そのセリフをリピートする。
「せーし、ッんん、びゅ、びゅっ、させてくださいぃぃ」
「ふふ、センセーってば素直でいい子。じゃあ、はい、これ」
まどかが「はい」と手渡してきたのは、先程由巧が飲み干した空のペットボトルだった。キャップが開いた状態で渡されて、イくことしか頭になかった由巧は、それをなんの違和感なく受け取る。
「本が汚れないように、ペットボトルに上手に出してくださいねっ」
「こ、これに……出すの……?!」
「他に方法ある? じゃ、コード抜くから、自分でペットボトル当ててね」
そうだ、ここは学校の図書室で……
大事な本もいっぱいある。汚してしまってはマズい。
背に腹は代えられない、と由巧はまどかの指示に従って、ペットボトルを下に添えた。
まどかの手が背後から伸びてきて、竿を持ち優しくなでる。もう一方の手は、イヤホンのコードを摘まんだ。
それから焦らすようにクリクリとコードを弄られて、切なくもどかしい刺激を与えられる。
「ンンっ……」と身を捩り、足が内股になってしまい……あまりに恥ずかしく情けない姿に、今度は由巧が催促の言葉を口にした。
「やっ、はっ、はやく、とって!」
その言葉を聞くや否や、
イヤホンのコードは、予告なく、一気に引き抜かれた。
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