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「たーくさん出たね、おしっこ」
黄色い液体がたっぷり注がれたペットボトルを見て、由巧はかあっと頬を赤くした。
「あまり……見ないで……」と、小さく否定するのが精いっぱいで、もう、それ以上は言葉にならないくらい恥ずかしい気持ちで一杯だった。
「見ないで、なんて嘘つきだなー。見られて興奮してるクセにぃ」
「こっ、こんな、汚いの、ヤダ……」
一度止まったはずの涙が、再びぼろりと落ちた。
恥ずかしい、悔しい、痛かった、怖かった、つらかった。そんな感情が、ぼろりぼろりと溢れていく。
おちょくっていたまどかも「あれ、いじめすぎちゃった?」と少しだけ反省して、それから、ふわりと優しく頭を撫でた。
「汚くないよ、由巧先生のだもん。よしよしイイコだね、よく頑張ったね」
ぐずり、と鼻をすすって、由巧はひとつ頷く。
「明日は僕がイイコにできるよう頑張るねっ。さ、もう下校時刻だから、片付けて帰ろうか」
そう言って、まどかはペットボトルの蓋を閉めた。
たぷん、と卑猥な液体が混じったそれを、持ち主に返すように「はい」と手渡してくる。
由巧が頭上に「?」を浮かべていると、まどかはニシシッと幼い笑みを浮かべながら、今日最後のイジワルを言ってきたのだった。
「お利口さんの由巧センセーに、今日の宿題! これを誰にも見つからないようにお家に持ち帰りましょー!」
ポイ捨てしちゃだめだよ、と付け加えて、まどかはそのペットボトルを由巧に押し付ける。
由巧は、見つかったら言い訳の仕様がないその液体を隠し持ち帰る、というスリル満点の羞恥プレイを、御主人様不在で行うことになったのだった。
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