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「広いんだね、お庭」
「菜園は塀向こうだけど、一部は塀の中なんだよ。俺んとこのコカトリスは中だけど」
「魔物だから?」
「そ。特性を抑えてるからって、無闇に放し飼い出来ねーしな? と言っても、旦那様の部下さん家まで結構距離あるし、他にお屋敷とかねーけど」
「特性……って、石化の光?」
「お、さっすが元冒険者。そうそう、何世代前とかに術をかけたのがそのまま移るんだけどよ? それでも、勢いすげーのは攻撃力高いからさ」
覚える事がいっぱいありそう。
前世云々はともかく、特殊な錬金術が使える事は伝え済み。それで、パンに野菜が必要なのも納得してもらえてはいる。
だから、歩きながらも途中で止まったりして、サイラ君が教えてくれるのを覚える事に。
持ち歩きボールペンとかがないから、全部記憶して覚えなきゃいけないんでちょっと大変。
「よぉ、サイラ。新しく出来た同僚に教えてんのか?」
「久しぶりだからってヘマすんなよ?」
「お、ロティちゃんじゃん! よっ」
『でっふぅ~!』
「ヘマなんてしねーよ!」
塀中の農地に近づくにつれ、人が増えてきた。
ほとんどの人が、サイラ君と似た作業着を着てる人ばかり。
私も軽くお辞儀しながら挨拶すれば、お兄さんおじさんの皆さんも軽く手を振ってくれた。
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