30.旦那様の幼馴染み、が

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30.旦那様の幼馴染み、が

 てっきり、レクター先生とのペアで冒険者をされてたと勘違いしてたから、まさかパーティーだった人が他にいるとは思わなかった。  服も防具関連は外されてたし、多分だけどカイルキア様のシャツとスラックスを着てたんで、またシュライゼン様のようなお貴族様かと。 (いやいや、そのシュライゼン様の事もあったし……また別のお貴族様?)  それにしては、エスメラルダさんの扱いが粗雑過ぎるけれど。  ぐぎゅるるるるるぅううううううううう  ぎゅるぅううううううううううううう 「あーい変わらずの、豪快な音だねぇ?」  誰だと言うまでもなく、エスメラルダさんの言葉で確定。  彼女が未だに首根っこを掴んで持ち上げてる、ガタイのいいお兄さんからのようだ。  だけど、あんな大音量で響いたにも関わらず、銀髪のお兄さんは全然起きない。  エスメラルダさんが軽く揺さぶっても、全く。 「とりあえず、こいつは無理矢理起こすとして……エイには悪いけどこいつの昼飯を頼みたいんだ。あと、チャロナのパンも少し分けてやってほしい」 「わかりました。いつもくらいなのを?」 「ああ、山盛りで頼むよ。あたいらは食堂にいるからさ?」 「チャロナ、また後でなー」
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