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『でふ? しゅっごく抱きちゅくのはいけないことでふ?』
赤ちゃん精霊のはずが、物分かりのいい子にランクアップしていた。
これには頭を抑えてたレイと頷き合い、あたしが代表して質問する事に。
「そうよー、ロティちゃん。今のだと、チーちゃんびっくりするどころか痛がっちゃうかもしれないわ。抱きつくのなら、やさーしく。やさーしくよん?」
『それ、マスターが言うと気持ち悪いっす』
「だーまらっしゃい!」
『やしゃーしく?……あ、思い出ちたでふ。しゃいしょの時、ご主人様に抱きついたらお顔青くなってたでふ』
「それよ! だから、もっと力を抜いて抱きつくのよ!」
何故こんな講義をしてるかはわからなくなってきたが、ある意味大事なことではあるので言い含めておく。
すると、何度か頷いたロティちゃんは今度はあたしの言いつけ通りに、ふんわりと倒れたチーちゃんのお腹に抱きついた。
『起きてくだしゃい、ご主人様ぁ~』
眠り姫に王子様ならぬ、ふわふわ可愛い妖精。
そんな表現を浮かべちゃうくらい絵になってて、彼女達の周りが薄い緑の光で覆われていく。
なんだ、とレイと揃って視界を遮る光の波を手で防いでいたが……気づいたら、もうチーちゃんが寝惚けた状態で起き上がってた。
「?───────…………あれ?」
「あれ?って言いたいのはこっちよ、チーちゃん!」
「ふぇ! 悠花さん!」
「もう質問いっぱいだけど、体調どーなってんの!」
質問の嵐をしたいところだけど、まだそのタイミングじゃないのはいくらあたしでもわかるから我慢した。
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