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「と、解けた……よ。あ、あああ、あと、ね?」
「うんうん」
誤解が解けたら、もしや?と期待が高まらないわけがないわ!
「……た、たたた、多分……………………告白、されたかも」
「多分かい、あのヘタレ!」
あたしが言えたもんじゃないけど、ここまでヘタレだとは思わなかったわ!
だけど、どうやら続きがあるみたいなの。
「今は、言えないのを許してほしいって。悠花さん、聞いてもいーい?」
「…………ごめん。それはあたしも言えないわ」
あいつは、どれを後悔した上でチーちゃんを好きになったのを自覚出来たのだろう。
あたしには誤魔化していたのかもしれないが、当人達同士には軽く茶々を入れる以外には関わり過ぎてもいけないのかも。
「そうなの? やっぱり、難しい事なんだね」
真実を知らないチーちゃんは、やけにあっさり引いてくれた。きっと、カイルなりに説明してくれたからかもね。
(なら、あたしも腹くくるしかないわね)
真実を知る共有者として、幼馴染としても元パーティーメンバーとしてでも。
「いつか、カイルの口からちゃんと言ってくれるのを待ってあげて? あたしから言ったら、シュラまでプンスコで済まないもの」
「シュライゼン様が? プンスコって懐かしーっ」
だから、今出来る事は精一杯元女としてチーちゃんを甘やかしてあげれる事。
そして、いつか結ばれる相手のカイルとのために、全身全霊を持って守ってやれる事だ。
そのためにも。
「じゃ~あ、今日のお出掛けは行けそうね? あたしも色々変装するから楽しみにしてねん!」
「悠花さんが変装?」
『でふぅ?』
『マスター、領内じゃ色々有名人でやんすから』
やっとほっぺを離してもらえたレイの言う通り。
あたしは、『ユーシェンシー男爵家』嫡男として小ちゃい頃から公爵家のカイルとはセットで有名人だもの。
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