1.お屋敷で目が覚めた

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「少し前に氷嚢は抜いておいたけど、それで良かったようね」 「あ、ありがとうございます……」 「傷は痛むでしょうけど、詳しく聞きたい事も全部包帯の交換中に教えてあげるわ。私は、ハウスメイド長のメイミーよ」 「チャ、チャロナです!」  教えてくれるのなら、ここは素直に好意に甘えよう。  あと、包帯を変える前に、気づかなかった備え付けの簡易キッチンからお水を汲んでくれたので、ゆっくりと飲んだ。  野営はともかくとして、ギルド宿舎でも飲んだことがない、浄化作用が効いたすっごく美味しいミネラルウォーターでした。 「まず一つ目。あなたを見つけたのは、このお屋敷の旦那様なの」 「あ、あのような森に?」 「ふふ、無理に敬語はいいわよ? あ、少し頭下げてもらえる?」  メイドさんことメイミーさんの説明はこうだった。  あの雨が降る直前から、日課の走り込み(馬ではなく文字通りのランニングのようなの)をしていたお屋敷の旦那様。  ほんと、偶然、たーまたま、私が落ちたところを見かけて救助してくれたそうです。  旦那様は私を抱えて帰る事も出来たそうですが、一応森に来る途中まで馬で来たらしく。  つまり、私はお屋敷までお姫様抱っこ+千里・チャロナ人生初の馬での同乗を為されたと言うことです。
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