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「…………すみません、お世話になってる方の前で弱音を吐いて」
献身的に看病してくださった人の前で情けない。
けれど、言ってしまったものはもう取り戻せない。
ひとまず謝って、もう一度手当とかの御礼を言おうと顔を上げようとしたら、自分じゃない長い指がほっぺに向かってきた。
「弱音など、誰でもある。今生きてるのだから、次に活かせばいい」
そして、その温かい手がほっぺを撫でて、私の顔を上向かせた。
とっても渋くて綺麗な男性の声にそのまま上を向いてみれば……これまた、服の上からでもわかるくらい、筋肉むきむきの短髪美男子がいた!
「あら、旦那様。いつこちらに?」
「だ、旦那……様?」
と言うことは、この美男子がお屋敷の旦那様?
(無茶苦茶若くて美形って、乙女ゲー??)
遊んだ事はないが、前世のSNSなどの広告リンクで貼られてた、神絵師様のイラストにも負けないくらい。
そんな人が、どうやら私の命の恩人のようです。
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