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(この人……笑った顔がすごく綺麗……。なんだろうこの感覚……まるで柔らかい空気に包まれている感じ。なんて言うか……とても心地良い)
動揺する楓をよそに、彼は笑顔のまま穏やかに続けた。
「突然こんなこと言って驚くかもしれないけれど、僕は初めて飛鳥さんを見た時からどうしても気になって、忘れられなかった。良かったら僕と付き合って欲しい。最初は友達からでも良いから」
目の前にいる彼は楓の心を大きく揺さぶっていた。誰かを見てこんな気持ちになったのは初めてだった。
「あの……友達からなら」
(私の心を揺さぶるような人が現れたらねっ)
数日前に涼子に言った言葉。こんなにも早く、現実にそんな人物が現れるなんて楓は全く予想していなかった。
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