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一生の不覚です、腹を掻っ捌いて死にたい…と落ち込む神楽坂先生を慰めつつ、昼食を楽しんでいるといつの間にか結構な時間が経っていたらしく、生徒会御一行と風紀委員会が並んで食堂に来た。
「先生、気にすることないですよ。ギャップ萌えってヤツです!元気出して!意中の彼も貴方のギャップにメロメロってヤツですよ!」
「私には意中の人なんて居ませんよ…」
あ、彼の部分は総スルーなわけね。スルースキルクソ高いな、神楽坂先生。
昼食を終えて、他のメンツよりも早めに講堂に戻る。俺の休憩中にほぼ片が付いたらしく、あとは料理が並べば立派な立食パーティーだ。
ん?壇上に並んでる椅子が6脚か。
ということは生徒会4人と光輝先輩と俺は壇上で料理を楽しめ、と?人にガン見されて食う飯ほど喉を通りにくいものはない。俺も普通に下で食いたい。
「ま、それはワガママか」
早々に諦めて壇上にある椅子に座り、皺が寄らないように気を付けながらテーブルクロスの敷かれたテーブルに頭を突っ伏す。昼飯後な上に静かだから、余計に睡魔が襲ってくる。
眠い。少しくらい寝ても問題無いだろう。最悪誰かが起こしてくれるだろうし。
「宇都宮、起きろ」
「ん…?」
誰かに体を揺すられて目が覚めていく。声的に光輝先輩だろうか。
ぼんやりする目を擦って何度か瞬きする。そして大きめの欠伸も出る。
「あ、俺寝てた…?」
「熟睡していたな。お前はまあまあ人気があるんだから気を付けろ」
「俺が人気って……まあ、気を付けます」
顔だけなら余裕でヤれるという全く嬉しくない評価は貰っているため、気を付けようと思う。
光輝先輩から壇下を見ると、生徒会と風紀委員会の皆も俺を見守っていた。恥ずかしい。
「り、リハするんですよね?さっさと始めましょう!」
「お前がぐーすか寝てたから出来なかったんだよ」
「う、うるさいわね!さっさと始めるわよ!」
慌てて椅子から飛び起きて、壇から飛び降りる。先輩方からの生暖かい目が痛いよぅ…。
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