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「ふふっ……あー……んっくく、あー、ダメ、これはマジで……あっははははは‼︎」
「何で皆真顔で棒立ちなの〜?面白くな〜い」
「証明写真だな」
現在、お互いのプリクラを見せ合っています。
コピペしたのか疑うレベルで全部同じポーズで、気持ちばかりのスタンプが散っているだけのプリクラを見て笑いのツボが刺激されまくってしまう。
俺の目論見通りのイケメンに囲まれた葵の写真には間違いないのだが、いかんせんコレだ。萌えるよりも先に笑いが出てくる。
「そんなに笑うなら、お前らのも見せてみろ!」
「いいよ〜」
迫田さんが礼央に俺達のプリクラを渡し、腕を組んで得意げな顔でふんぞり返っている。はい可愛い。
俺達のプリクラを見るために葵と瀬良さんと勝海さんが礼央を囲い、穴があくほど凝視していた。相当衝撃的だったらしい。
「プリクラってこういうものなんだ…」
「大津クンも知らなかった感じ?」
「存在は認識してたけど、写真を撮る物ってことだけしか把握してなかったというか…」
葵が困った顔で頰をかき、俺達と葵達のプリクラを交互に見ていた。
その程度の認識でもどう考えてもプリクラは証明写真撮影ではないし、真顔棒立ちで撮影しようとはならないと思うんだけど。
「ポーズすべきだったんですね」
「うっつー、達の……凄い、ね」
「くっ……リベンジだ!」
そう叫ぶと、礼央はすぐに証明写真組を引き連れてプリクラの中に入っていってしまった。俺達3人は待ち時間を潰すために自販機のアイスを購入し、4人が出てくるのを待ち続けたのだった。
無事礼央達のプリクラリベンジが終わり、今日はお開きになった。といっても、現地解散するのは葵だけなんだが。
駅に到着し、自動券売機の列に並ぶ。俺は5人の方を向き、口を開いた。
「さあ電車に乗って帰るわけですが、切符の買い方とか大丈夫ですね?」
「ふん、任せておけ」
言ったな?よし、今回は黙って見守っておこ……
「だからぁ!礼央きゅん、この駅だからね⁈家帰らないつもり⁈家出したいの⁈お宅の息子サンが不良になりますわよって神宮寺家に連絡すればいいの⁈」
「何っ⁈」
フラグ回収アリガトーゴザイマース。
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