4.パーティーは戦場!いざ尋常に勝負!

2/32
10791人が本棚に入れています
本棚に追加
/382ページ
「隼人くん、準備出来たかしら?」 「うん。今から行くね」  綺麗に着飾っているであろう母様に返事をし、手鏡で最終確認してから自室を出る。うん、今日も今日とて美人だよ!  玄関で待つ両親のベタ褒めをあしらいつつ、車に乗り込む。黙ってれば2人共超美形なのに。 「隼人は神宮寺の御子息と仲が良いのか?」 「んー、多分?よく話すし、最近は神宮寺サンと遊びに行ったよ」  父様と母様と駄弁りながら窓の外を眺める。シャッター音がうるさいが、それは我慢しよう。  パシャッ  ジーッ、パシャッ  パシャシャシャシャシャシャシャ… 「連写はやめて。うるさい」 「今の隼人くんは今しか居ないのよ!」 「その通りだ。隼人の成長を見届け、記録していくのが親の務めだ」 「秒で俺は大した進化はしません!」  なんとかこの両親の暴走を抑えなければ、精神的疲労が蓄積されてしまう。それはいただけない。  んー、どうしようか。いっそのこと家族写真でも撮ろうか。 「父様、母様。俺と一緒に写真撮ろ?」 「隼人ちゃん待ってそのポーズから動かないで!」 「小首を傾げている隼人可愛い!」 「……俺と写るの、嫌?」 「「すぐ撮ろう‼︎」」  家族写真撮りました。両親は泣いて喜んでいた。母様、化粧崩れるぞ。  神宮寺邸に到着し、神宮寺の使用人に案内された通りに進む。流石神宮寺と言うべきか、調度品が品良く多数飾ってある。清掃も行き届いており、大変素晴らしい。  そう、今日は神宮寺主催のパーティーなのだ。  両親に続いて、神宮寺の招待客達に挨拶する。ぜひ私の娘を宇都宮の御子息に…とかいう話が必ず飛び出してくる。その度に両親の威圧感が増すものだから、相手方は冷や汗を垂れ流している。 「隼人様、今回のパーティーは参加されているのですね!私、隼人様にお渡ししたい物がありますの!」  ……誰?  適当に会話してプレゼントを渡すと、ご令嬢は優雅に一礼して両親であろう2人の所に向かっていった。  プレゼントの中身を見て、すぐ目を逸らしてうちの使用人に預けた。  あれが、噂に聞く華園のご令嬢か…。
/382ページ

最初のコメントを投稿しよう!