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「隼人、今日僕の家に来て」
「夏弥…?」
「お願い、隼人」
ある日耀といつも通り口喧嘩していると、夏弥がわざわざ俺のクラスまで訪れて真面目な顔でそう伝えてきた。有無を言わせるつもりはないらしい。思わず首を縦に動かしてしまう。
それを確認して、夏弥はいつものふわふわスマイルを俺にプレゼントしてきた。あ、何人かのクラスメイトが血を噴いた。
「龍ヶ崎くんがお願いするなんて珍しいね」
「隼人は僕の中では一番かっこいい人だし、一番頼りにしているから」
茶々を入れてきた耀に対しても誠実に対応している夏弥の頭に手を伸ばして、犬のようにわしゃわしゃ撫でる。夏弥、偉いぞー。こんな腹黒大魔王に対しても笑顔を絶やさず返答しているんだから。
「夏弥の教育に悪いから、軽井沢クンは自分の教室に帰ってくれる?」
「キミといる方が龍ヶ崎くんの教育に悪いんじゃないかな?心配しなくても、龍ヶ崎くんは宇都宮くんより断然できた人間だと思うけどね」
「そうやってすぐ俺のことを貶める発言するの、よくないと思うよ。社会に出たとき敵作るよ」
「へ…?えと、2人共落ち着いて。ね?」
手で追い払うような動作をするがさすが耀と言うべきか、ふてぶてしく綺麗な笑顔を浮かべて俺に反撃してきた。
俺と耀の雰囲気にオロオロしている夏弥可愛い。巻き込んじゃってごめんな。
「夏弥、軽井沢耀には気をつけるんだぞ」
「龍ヶ崎くん、猫を何重にも被ったキミの幼馴染に気をつけてね。何を企んでいるかわからないから」
「軽井沢くん、隼人は良い人だよ?」
俺を褒めてくれる優しい夏弥大好き。昔からそうだけど、夏弥って生きてるだけで俺のこと褒めてくれるbotだわ。
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