1.数時間前の俺をぶん殴らせろ

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 俺、死んだはずなのに。死んだのに! 「あうー?!」 「あらあらどうしたの、私達の可愛い赤ちゃん?」  バブってるよね?!俺、確実にバブってない?!むしろバグだよなコレ!何じゃこりゃ!  俺を慈愛の目で見つめてくる美男美女と使用人みたいな人達。皆微笑ましそうに俺を見てる。  あ、これ走馬灯ってヤツ?俺の知ってる走馬灯じゃないけど。 「こらこら、もう名前は決めただろう?」 「そうよね。ふふ、私達の可愛い赤ちゃん。私達の可愛い宇都宮隼人くん」  うん…?ウツノミヤハヤト…?  その名前、俺がさっきやってたBLノベルゲー《学カレ!》の登場人物と同じ名前じゃないか。  彼は主人公と攻略対象の邪魔をしつつ、そのまま当て馬になってくれる子だぞ?俺がその隼人くんだって?  まっさかー、二次元じゃあるまいし転生なんてありえねえよなーHAHAHA!  いやいや、まさか…な?  ガチで転生とか…いやいや、マジで? 「あ……ぅ?」 「どうしたんだ、隼人?」  …!このイケメン、隼人きゅんに似てる!  隼人きゅんはパパ似だったのか~。 「は…パ……ぁ?」 「っ!佳奈衣、今隼人がパパって!」 「まあ!隼人くん、天才ね!」  隼人くん自尊心半端なかったけど、この両親に育てられたなら納得だわー。男だけど蝶よ花よと育てられたのね、納得納得。  ちなみに親の会話を聞くところ、俺は今10ヶ月らしい。例の学園の高等部に入学するのは15歳の出来事だ。それまでに折れるフラグは全て折っておこう。  学園に行かない選択肢はないのかだって?ないよ?
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