2.祝!主人公登場!

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「キモっ…⁈俺の行動ってキモいのか⁈」 「キモいっていうか、ストーカーじみてて気色悪い」 「でも、好きな子の方は自然と見てしまうだろ!例え着替え中でも!」 「大津クンの裸を見て、ナニをおっ勃ててそう」  耀は相当ショックを受けたらしく、顔面を蒼白にした。  どう考えてもキモいだろ。俺が葵の立場であったなら、自分の裸をガン見してしまいにはナニがこんにちはしてる親友は嫌だ。  夏弥がそうだと考えると……引かないわ。夏弥なら何でも許しちゃうわ。というか、夏弥でそんなことを考えてしまった俺を殴りたい。 「話戻すけど、今回悪いのは加害者側の人達なのは事実。でも、俺としては大津クンには身の振り方を覚えてほしい。今回は何とかしたけど、俺も光輝先輩も暇じゃないし毎回出来るわけじゃない」 「……つまり、俺と飛騨くんの方から葵に気を付けるよう言ってほしいと?」 「そ、俺から言われても聞き入れられないだろうし」  耀は少し思案し、すぐに頷いた。  大嫌いな俺から頼まれるのは癪だろうが、想いを寄せている相手が傷付くのはそれよりもっと嫌だろう。  俺の話は終わったし、耀を置いてさっさと教室に戻ろうと足を踏み出すと耀に食い止められた。 「お前の話は分かった。だが、俺の話はまだ終わってないだろ」 「耀チャンの話を聞く耳なんて持ち合わせてまつぇーん」 「うるせえ。葵と仲良くする気は無いのか」 「性格の不一致、無理、じゃあね」  今度こそ耀から離れて教室に向かう。一刻も早く耀から離れなければ、不快感で胃に穴が開きそうだ。  教室に向かっていると、葵の姿が目に入った。憎悪の感情が胸いっぱいに膨れ上がったが、なんとか抑え込んで平然として葵の横を通り過ぎる。葵に挨拶なんて絶対出来ない。 「あの、宇都宮さん!」  不意打ちはやめろ、葵サン‼︎心臓バクバクしてる‼︎ 「は、何?」 「俺、色々考えてみたんですけど、やっぱり全然分からなくて」 「お友達にでも聞けば?俺から聞いても、キミ自身が飲み込めないだろうし」  やたら冷たい声が出た。時間を経ることにつれて俺と隼人くんの親和性が増してきているのだろうか。 「そんな、こと…」 「俺はそう思うケド?」  葵が俯いたのを見て、そのまま教室に向かう。  葵と会話するのは耀よりストレスが溜まる。
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