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放課後になりました。
来る新歓のための打ち合わせです。俺も新入生なんだけど、来年のためにも経験しておけって礼央からのお達しでした。俺だって純粋に新歓楽しみたかったぜ。
「司会進行は私達生徒会がさせていただきます。風紀委員会には会場の設営や裏方の仕事をお手伝いしていただきたいと思っています」
「ああ、了解した」
光輝先輩と副会長の瀬良さん中心に打ち合わせをしている。俺とその他生徒会メンバーは別テーブルでお茶請けを摘みつつ、ババ抜きをしている。書記の勝海さんはすよすよ寝てる。
「また俺が最下位か⁈」
「礼央きゅん弱いね」
「貴様らイカサマしてないだろうな⁈」
「顔に出すぎなんだよ、会長〜」
「次から最下位ごとに脱いでく?」
「隼人ちゃん天才〜!脱衣ババ抜きだね!」
「イエーイ」
会計の迫田さんとハイタッチして、礼央の方を見る。礼央のツッコミ待ちだ。
「貴方達も話し合いに参加してください」
礼央にツッコまれるより先に瀬良さんからお叱りを受けました。勝海さんは光輝先輩に叩き起こされてた。
ババ抜きをやめて、俺達も真面目に会議に参加する。といっても今回が初の新歓な俺は特に何も言えるわけがなく、生徒会と光輝先輩の話し合いを黙って聞くだけになった。
うむ、正直つまらん。
俺がつまらなさそうにしているのに気付いたのか、瀬良さんが声をかけてきた。
「宇都宮くんは新入生なのに、こちらの都合で新歓のお手伝いをお願いしてしまったことを心苦しく思っています」
「成り行きとはいえ風紀副委員長だし、今後のためにもなるから別にいいですよ。こっち手伝う代わりに、先輩達が俺のこと祝ってくれるんでしょ?」
「そうですね、お食事でも一緒に行きましょう」
瀬良さんがにこりと素晴らしい笑みを向けてくれた。ごっつぁんです。
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