3.来たれ新歓!滾れよ若人!

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 新入生歓迎会前日。  生徒会と俺達風紀委員会は公欠になり、明日の新歓に備えて準備をしている。生徒会は明日の段取りを確認して、俺達は講堂のセッティングを中心に動き回っている。 「副委員長、次はどうしましょうか」 「テーブルの配置確認してくれる?俺は会長サン達に明日の流れを確認してくるから」  手伝いといっても、俺は基本的に指示をするだけで特に力仕事はしていない。力仕事の方を手伝おうとしたら、風紀委員の先輩達に必死に食い止められてしまった。  先輩方曰く、副委員長も新入生なんですから楽な仕事をなさってください!だそうで。出来た先輩だ。 「礼ー央ーきゅんっ」 「うおっ⁈」  礼央の背後を取って、思いっきり抱きつく。絶賛コアラ状態だ。  礼央は前につんのめったものの持ち前の体幹でなんとか持ちこたえていた。さす礼央だ。 「お前は普通に話しかけれんのか!」 「ええー、マンネリ化しちゃうじゃん?」 「じゃん〜?」 「迫田は宇都宮に乗るな!」 「会計サン、ナイスアシスト」 「ブイ〜!」  迫田さんにサムズアップすると、迫田さんはブイサインで返してくれた。相変わらずノリがいい人だ。  礼央の背中から飛び降りて、明日の日程を確認して光輝先輩の元へ近付く。光輝先輩は瀬良さんと勝海さんと真面目に話し合いをしていた。いつ見ても素晴らしい絵面ですな。 「光輝先輩、会長サンに確認したらこの段取りでオッケーらしいです」 「ああ、ありがとう。午後にリハーサルをするらしいから、今のうちに休憩してこい」 「え、でも俺だけ休憩するのは…」  光輝先輩だけでなく、瀬良さんと勝海さんに笑いかけられれば頷くしかあるまい。作画が良すぎる。  他の人よりも先に休憩に入り、早めの昼食を取りに学食に向かう。そういえば生徒会顧問の神楽坂先生を見かけなかったが、授業中だったんだろうか。 「って、居るし」 「宇都宮くんは休憩ですか?」 「はい。光輝先輩に休憩行っておいでって言われて」  ウェイターにランチセットAを注文して、神楽坂先生と駄弁る。神楽坂先生はケーキをつつきながら俺の話をにこやかと聞いていた。  神楽坂先生の前に重ねて置かれているケーキ皿を見つめてしまう。このやたらでかいガラスの器は数量限定の特大パフェのか?  神楽坂先生って大の甘党なのか。糖尿病にならないか少し心配だ。 「先生って甘いもの好きなんですね」 「へっ…?……ああっ!」 「先生、今更隠しても…」  顔を真っ赤にしながら、両手で積み重ねられた皿を隠そうとする神楽坂先生は大変可愛らしかったです。
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