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「さようなら。」「っ、あなた・・・私たち、なにが・・・悪かったの?」「っ、やめろ・・・やめてくれ・・・・・・」鈍い音と妻の低い声が耳に届く。
「さぁ、行きましょう。」「触るな・・・俺は、お前なんか好きでもなんでもない!!この人殺し!!妻と子どもたちを返せ!!」俺は、もう叫ぶしかなかった。
「お前が母さんをアイツを・・・やったんだろう!!」ようやく気が付いた。俺は、愚かだった。
「ずっと、傍に居る。あなたは、わたしに言ったもの。〝お前の金がないと生きていけない〟って・・・だからずっと、ずっと・・・傍に居る・・・・・・」
それが彼女の最後の言葉で俺の記憶だ。俺が全ての元凶だったのだと気が付くのが遅れて妻と子を失った。
《 *
「目が覚めたのは、病院でした。妻と子どもは、複数回刺されての出血死。
彼女は、ベランダから飛び降り自殺をしていました。」
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