少しの罪悪感とキスの雨

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最近、恭ちゃんは大人の顔を見せてくるから困る。 どう反応すればいいかわからないし…。 でも、それが嫌じゃない。 恭ちゃんに触れられるのは嬉しいし、恭ちゃんになら何をされてもいいと思ってる。 …とか、やっぱり私はいやらしい子なのかな…。 ある日、昼休みに職員室に提出物を運んだ帰り、人気のない廊下を1人で歩く恭ちゃんを見つけた。 あの辺りって空き教室あるところじゃあ…。 私はまわりに人がいないことを確認して、恭ちゃんのあとを追った。 が、見失った…。 辺りを見まわしたけど、誰もいない。 見間違いかなぁと首をかしげていると、予鈴がなった。 私は急いで教室に戻ろうとしたが、凄い力で後ろに引っ張られた。 びっくりして声をあげそうになったが、口を押さえられていてモゴモゴとくぐもった声にしかならなかった。 「しーっ。」 よく知った声が聞こえた。 後ろを見上げると、恭ちゃんの嬉しそうな顔があった。 「俺のあとをついてくるとか、何可愛いことしてるの?」 「どこに行くのかなって…、思ったら…、つい…。」 どんどん小さくなる声と比例して、頭も下がっていく。 「別に怒ってないよ?『可愛いこと』って言ったでしょ?好きな子が追って来て、嫌がる男なんていないでしょ。ほら美漓、可愛い顔見せて。」 両手で頬を包まれて、上を向かされる。 赤くなった顔を満足そうなに見ると、ゆっくり顔を近づけてくる。 キスされると思い目を閉じようとしたとき、さっき予鈴がなっていたことを思い出した。 私は恭ちゃんの口を両手で押さえて、押し返した。 「ダメっ!もうすぐ午後の授業始まっちゃう!」 恭ちゃんから離れようとしたが、両腕をしっかり握られて動けない。 さっきの満足そうな笑顔が一変、とてつもなく不機嫌そうな黒い笑みに。 そのまま強引なキスが降ってきた。 抵抗も虚しく、本鈴が午後の授業の開始を告げた。 本鈴が鳴り終えても、解放されない唇。 やっと唇が離れても、黒い笑みは消えていなかった。 「せっかく良い雰囲気だったのに、悪い子だね。」 「だって、授業……。」 「もう始まっちゃったんだし、良いよね?」 「今まで、サボったことなんてなかったのに…。」 「美香たちも、たまに授業サボっていろんなことしてたみたいだぞ。俺もそういうの憧れてたんだよね。」
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