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「将来、画家になりたい」 君はそう言って笑った。 「君は?何になりたい?」 屈託のない顔で問われ、僕は何も言えなかった。 何になりたいもない。 このまま高校を卒業して、大学に行って、卒業して、会社に入って仕事をして、給料もらって、生活が出来ればいいと思っているし、そうなるものだと思っている。 君みたいにキラキラした夢なんかなかった。 「好きなことで、誰かを感動させられたらすごいと思わない?」 君は笑って、そう言った。 その顔がとても綺麗で、息を飲むほど綺麗で、目に焼き付いて離れなかった。
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