僕と死神

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「別に楽もくそもないよ。まあ、この世界に呼ばれなければ一番楽なんだけどね」 「またまたー、本当は俺に会えて嬉しいんだろう?」 「そんなわけあるか。とりあえずくだらない話は置いといてそのおばあさんが次の相手なんだな」  「そうだよー」と言いながら頭上からベリアルが下りてくる。バレエダンサーのようにくるくると回りながら。なんかこういう花あったよな。空から落とすとくるくる回る花。  用も無くなった僕は大きく背伸びをして立ち上がった。 「いつも通り場所は勝手に君の頭の中に記憶されているはずだからね。報告に行くかどうかは君次第!じゃあ頑張れ!」 「そんなこと重々承知しております。何年この仕事してると思ってるの」 「ま、そうだね」  無理やり笑顔を作り、ベリアルに背を向けて暗闇へと歩き出した。  スポットライトはもう追いかけて来ないので今日の任務の終了の合図だ。  どれだけ歩いてきただろう。辺りは完全な暗闇に包まれた。  いつものように僕は目を閉じた。あっという間に意識は闇に溶けていく。
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