3人が本棚に入れています
本棚に追加
のぞみちゃんの顔はキャンパス。
右目の周りを囲むように咲いた花、青紫色。
「大丈夫だよ」って今日も笑ってる。微笑みは凶器だ。
のぞみちゃんが笑っているのを見ると苦しくなる。
「大丈夫」「なんともない」「平気だよ」
なんて言葉で許さないで
「たかしくんと一緒にいると安心するの。真夜中に眠れなくてもひとりぼっちじゃないって。ここにいてもいいって思えるの。幸せだよ」
真夜中、のぞみちゃんの心音を背中に聞きながら、
ぼくは祈る。
これは愛なんかじゃない。もうのぞみちゃんは必要ない。
起きているあいだの愛してるなんて言葉信じないで。
ぼくは真夜中の孤独にはなれている。
こわいのはあかるい方だ。
だからお願いします。
ぼくが目を瞑っているあいだにのぞみちゃんを逃がして。
ぼくからは離してあげられないから。
ぼくが眠っているあいだに。
のぞみちゃんはやく逃げて。また朝がきちゃうよ。
最初のコメントを投稿しよう!