第1章 つまらない日々

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その後は、皆さんの知っている通り、中村君が私の隣で寝ています。 スースーと寝息を立てている中村君を見ているとついフードの中を見てみたいと思いました。 誰だって、見たことの無いものを目の前にすると、それを見てみたいと思ってしまうでしょう。それが、見るチャンスがきたとすると尚更です。 今、誰かそれはダメなことだと思いました? 大丈夫です。 No problem.(問題ない)です。 何故なら、見たことの無いものを見ると見たくなるのが、人間の性だからです!キリッ 私はソッと中村君のフードを取ってみました。 パサッ 佳「っ!!/////」 なんと、フードの中から出てきたのは、物凄く顔の整った美少年でした。 それは、染めることを知らないような艶やかな黒髪にキリッとした眉毛、今は瞑っていて見られないが、目を縁取るかのように並べられた長い睫毛、アーモンド型のプルんとした唇にスッと筋の入った鼻筋、とどめかのように、近くで見てもニキビひとつも見当たらない陶器のような色白の肌。 今までも、美少年や美形は何度も見たことがありますが、この方は美形などで言いくるめたらいけない気がするほどの美しい顔立ちでした。 …どうしましょう。 顔が綺麗すぎて直視が出来ないです。 私はそっとまたフードを被せました。 その時、私の中で他の人には中村君の素顔を見せたくない。いや、見せないようにする。と決めました。 え?そんなことを本人に言わずに決めちゃって大丈夫ですかって? 否、大丈夫です。 No problem.です。 何故なら、私は人間の性には逆らわないのです。 ほら人間。綺麗なものを見るとそれを独り占めしたいと思いますよね? それですよ。それそれ。 ですから、たとえ火龍の皆さんにバレそうになっても私は絶対に見せません!(その前に、中村君を火龍の皆さんに近付かせません!!) 私はこうして、新たな結束を胸に中村君とその周りを見てました。 佳奈side end
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