“ひとり“ぼっちの転校生

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「…○○?ねぇ、お母さん、○○はなんでずっと寝ているの?声をかけても起きてくれないの。ねぇ、なんで?」 あの時、本当は気づいていたのかもしれない。 ただ、知りたくない真実が目の前に現れた時、気付かないふりをした。 「五月蝿い!ッ!……なんで、なんであの子が死んであなたが生きているのよ!!あの子は優しかったし、可愛げがあったの!!…なのに、なんで可愛げも何も無いあんたが生きてんのよ!おかしいでしょ!?もう、あんたが死ねば良かったのに。うぅ…。ウア゙ア゙ア゙!!」 そう、本当は知っていたのだ。 ”不思議”なんかじゃない、しっかり”気づいていた”のだ。 本当は自分なんか必要とされていなかったことに。 …まだ、小学校に入る前程の小さな子が。 彼女は昔から皆と違う、変、異様と言われていた。 確かに、彼女自身でも幼い子にしては全然笑ったりはしゃいだりなどをしないと感じていた。 いつも無表情でポツンと1人で立っているような子だった。 それを見ていた大人達は言う。 子供らしくないと、皆と違うと、異様だと、気持ち悪いと。 ”よく分からない”と。 しかし、それと同時に彼女も思う。 何故子供らしくいないといけないのか。 何故大人達の都合に合わせないといけないのか。 何故面白くもないのに笑ったりはしゃいだりなどしないといけないのか。 そのこと全てに彼女は”不思議”を抱いていた。 そう、皆のいう ”よく分からなかった。” 他にも、 皆と少しでも違うところがあるとすぐ変な子と言われることにも”不思議”だった。 怒られて泣く、怪我しても泣く、その動作にも彼女にとってはとても”不思議”だった。 気に入らない子がいるとすぐいじめようとすることにも”不思議”だった。 何より、一番お母さんが”不思議”だった。
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