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「…あんたが、あんたがいたからあの子が死んだんでしょ!?なんでそんなに平然に立っているの!?生きているの!?あの子はとても明るかったの!可愛かったの!優しかったの!”分かりやすかったの!”何もかもあんたのと正反対だったの!あんたがあの子とずっと一緒に居たせいであの子が死んだんでしょ!?…そうよ。あんたが死ねば良かったのよ。今すぐ死ねよ。ねぇ、死んでよ!!!!」
ヒステリックに叫ぶ。
あの子の方が良かったと。
あの子の方が可愛かったと。
だけど、その時の彼女にはただ、あの子の方が、”扱いやすかった” ”使い勝手が良かった”と言っているように感じた。
お母さんは言った。
あの子が死んだのは私と一緒に居たせいだと。
周りが言った。
あの子が可哀想だと。
彼女は感じた。
私が可笑しいんじゃない。
私の周りが可笑しかったのだ。
歪んでいたのだ。
そう、何も不思議なんかじゃなかった。
私が可笑しかったんじゃなくて、周りが壊れていたのだ。
ふと、彼女は思った。
あの子の名前は確か……
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