家宅捜索

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「あの絵も妹が描いた絵じゃなければ、特に飾っておいたりは、しなかったんだけど」 「妹さん、絵が趣味なのか?」 「うん、そう。薬剤師にならなかったらイラスト関係の仕事に就きたかったくらいなんですって」 「……そうか……」 腕時計を眺め始めたハルは、私の手をゆっくり離した。 「ずっといたいんだが……車も待機させてるし、仕事があるから今日は帰るよ」 「あ、うん、わかった。忙しいのにありがとう」 「……明日、連絡する」 ハルがベッドから降りて、玄関へ向かう。 「うん、待ってるね」 送ろうとする私を制するハルに従い、私は、ハルをベッドの上から見送った。 ベッドに横になってみると、やはり不思議なことばかりだ。 ハルとは、今まで知りあった人とは違う付き合い方をしていたように思える。 それだけ、私にとってハルは特別な人だったのかもしれない。 そんな風に感じた。
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