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身辺捜査
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シャロン株式会社。靴ブランド会社で年間売り上げ高は、去年160億。自社ブランドの靴を企画販売、それと輸入ブランドの靴を輸入販売する会社で全国に販売店舗を112店舗構えている。
私の勤める銀座本店は、1階から3階までが売り場で、4階から上がオフィスになっており、最上階の6階には社員専用のレストランが完備されている。
モノトーン色で統一されたレストランは、モダンで雰囲気が良い。昼はビュッフェスタイル、ワンコインで食べられるし、18時以降はbarになりお酒も飲める。
「舞に彼氏? いつの間に? え、どういう話なの? 私に黙ってたの?」
窓際の二人用テーブルに向かい合うようにして座っていた同期入社の百合が目を大きくしている。
「黙ってた? 百合も知らないの?」
百合はフォークを持ったまま、口だけ開けた。
「はあ? 百合もって……何よ。意味わかんない」
「百合にも言ってないんだぁ」
歳は百合の方が若いが、同期入社という事で仲良くしている。同期は他にもいるが、派遣から社員になったのは百合と私だけなのだ。派遣の頃から知っていたせいか、プライベートでもたまに遊ぶ仲になっている。
「舞、やっぱり頭打っておかしくなったんじゃないの? 『私に彼氏がいるって知ってた?』って聞き方も変だし」
「だよね。変だよね?やっぱり」
「変よ」
白い皿に乗った色々な色の豆サラダ。その豆をフォークですくう百合。
「三カ月も付き合って黙ってるなんて変よね、やっぱり」
「三カ月も付き合う? 何それ、ほんとに付き合ってる人いるわけ?」
玄米パンを薄くスライスしたものを手にして固まった百合。
「そうらしい」
バジルのパスタをフォークに巻きつけ口に入れた。
「そうらしいって何? 他人事みたい」
「私のことなんだけど、他人事みたいに記憶がないの」
「はぃ? 何言ってんの」
半分イラついた様子に見える百合。百合は、美人だが現在彼氏がいない。たぶん、短気なのが災いしているんだと私は睨んでいる。
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