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「今の内に何か考えておきなさいよ。今日は嫌って言うほど同じ事訊かれるだろうから」  もう食事を終わらせてしまった水嶋が、テーブルに肘をついて、口を動かす哉菜に忠告する。 「うん」  素直に頷いてからふと隣に眼をやると、透明のプラスチックのコップに入ったオレンジ色に近い色の野菜ジュースを飲む友人がこちらを見ていた。 「由華悧は?」 「うん?」  コップを口から離さずに問い返す添田由華悧(そえだゆかり)に、哉菜は口の中を空にして、 「水嶋との一夜はどうだった?」  にっと笑う。 「よかったよー。私、水嶋とは相性いいもん」 「そうなの?」 「そうね」  水嶋が含み笑ったところで、光や茉莉を筆頭に、一年の頃から仲の良い寮生たちが周りにやって来て、まだ何も考えていないのに、先程と同じ事を尋ねられる。天を仰ぎたい気持ちで溜め息を吐く哉菜を見て、水嶋と由華悧が笑った。
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