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 ギャラリーの中に、光の新しいルームメイトの姿を見つけていた哉菜は、彼女をちらりと見てから光に部屋へ行くよう促す。突然名前を出された光のルームメイトは、少し驚いたようだったが、すぐに二、三歩光に近づいて、「行こ?」と声を掛けた。 「――哉菜は?」  ルームメイトに見向きもせず行き渋る光に、哉菜は、「行くよ」と答えようとしたが、それよりも先に、 「私が連れて行くわ」  少し離れたところから、穏やかな、それでいて芯のある声が答えた。声のした方に身体を向けると、その場にいる生徒たちの視線を一身に受けた九条紫月が微笑んでいた。 「ああ、でも、ここで私があなたを独り占めしてしまったら、私もあなたのファンにいじめられるのかしら?」  笑みを浮かべながら放たれたその言葉に凍りついたのは、言われた哉菜でも、さっきそれを言った水嶋でもなく、周りの生徒たちだった。哉菜はむしろ、その言葉を待っていたくらいだった。 「私のことを慕ってくれている人たちは、そんな醜いことしませんよ?」  固まっていた生徒たちが息を呑み、水嶋と紫月が口の端を上げた。
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