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1、春の嵐よりは
桜が散り、穏やかな日差しに木々が緑に色めき立つ、すがすがしい5月の朝。
登校するとぼくは強姦魔になっていた。
「おまえぇっ! おまえってやつはよぉ!? 見そこなったよちくしょう!」
「きゃー! いやー! こないでー! 殺さっ、犯されるー!」
「ひっく……えぐっ……信じて、たのにっ……初めてだったのに……!」
「大丈夫? 薬はちゃんと飲んだ? 先生は!? 先生はまだなの!? 男子ー! あいつを捕まえてぇー!」
幼児の心臓を喰らうため23人もの幼き生命を虐殺してきたぼくは、世界を混沌に陥れるべく悪魔を呼び出さんと、儀式に必要なうら若き処女の血を手に入れるため、しいては己の思春期の欲望を解放せんがため、ついに同級生の斎藤さんに襲い掛かったのだ。
おのれど外道め、悪は滅びねばならぬ! 正義の勇者となったクラスメイトの男子一同は聖剣エクスカリバー(さすまた)を駆使し、真に邪悪な魔女共の声援(あやつるの呪文)をうけ、14対1という圧倒的な物量をもってして、魔王であるぼくに襲い掛かる。
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