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「ちょ、み、みんな騙されてるよ! ぼくはなにもしてない……っていうか普通信じないよね!? ふざけてるの!? ふざけてるだけだよね!? っていうかなんで斎藤さん泣いてんのぼくは君が一番怖い!」
哀れな冤罪人の抗議の声は誰にも届くことなく、暴動は更にエスカレート。罪人が聖骸布(夏用の遮光カーテン)にぐるぐる巻きにされて、教室の後ろに設置してある聖なる棺(掃除用具入れ)に封印されそうになったところで、担任の高橋先生が召喚、害悪魔術の時代は終わったと宣言(はーい出席とるぞー席につけー)、魔女狩りを鎮静化させたのだった。
「これは普通にいじめって呼ばれる行為じゃないんだろうか……」
ぶつぶつと呟きながら、誰も手を貸してくれないので自力で封印から脱出する。カーテンは適当に丸めて掃除用具入れに突っ込んでおいた。床に放り出された鞄を悲しい気持ちで回収しつつ、点呼に備えるためクラスメイトと同じように自分の席へと向かう──横目で、とある人物の様子を確認しながら。
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