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「このリトマス試験紙、変なのかなぁ？」
首をかしげる昌弘。息子が困った顔をしているのを見て由美子も首をかしげる。由美子は子供の頃勉強が得意だったとは決して言えない。今回の件についても皆目見当がつかないのだ。
「じゃあ、他に調べる方法は無いの？」
由美子がそう昌弘に問いかけると、昌弘は思い出したかのように机の引き出しをガラガラッと開けた。
「あった！」
昌弘が取り出したのはph試験紙だ。これも彰から買ってもらったものである。
「これでもう１回やってみる！」
昌弘は黄緑の試験紙を適当な大きさに切り、再び液を垂らす。
「あ……」
ph試験紙の緑色は液をつけると青みを増す。表示されている色と照らし合わせるとphは8。やはり弱アルカリ性と示された。
「とりあえず、他のものを全部調べてみたら？」
「……うん」
昌弘は釈然としない表情で他の水溶液の準備を始めた。
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