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「どうしても無理か?」
「無理……、というよりは……」
それで進退窮まったアルカードが、しばらく無言のままで考える仕草を見せた後、決心したように顔を上げる。
「分かった。では一度、父上に逢って欲しい」
「あぁ。正当な許可を得るためならば、何だってするよ」
提案を二つ返事で引き受けた彼が、アルカードの案内により、ランスロット、ジーラと連れ立って再び謁見の間へと赴く。
「恐らくはないと思うのだが、万が一父上からの許可が降りなかった場合は、諦めるか、他の方法を考えて欲しい」
とは言いつつも、わざとらしく“他の方法を考えて欲しい”と提示する辺り、あくまでも形式的なやり取りをほのめかしているようだ。
そこに気付いた彼も、苦笑しながら申し訳なさそうに頷く。
「済まない。アルカード、恩にきるよ」
「否。他ならないお前からの、滅多にない頼みなのだ。聞かない訳にはいかないさ」
そう、爽やかな笑みを浮かべる様は、まさに国中の女性を魅了しかねない魅力を伴うものだった。
そんな笑みを見返しながら、彼が続ける。
「大丈夫だ。この一件、必ず解決して見せるから」
「心強い味方だな」
笑い合う二人の隣で、安心しきった表情でいるランスロットも、すっかり事件を解決出来る気になっているようだ。
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