作戦会議

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「……やはりそうか」 ライナの言葉を受けたミリアリアは小さく嘆息し、そんな様子を見ていたアイリスは小さく肩を竦めながら口を開いた。 「どうやらあたしの存在はかなり珍しいみたいね、でも、今はそれについてより今後どうするのかを決めた方が良いんじゃないかしら?」 「……確かにそうだな、私は暫くこのダンジョンに止まり体力を回復させつつこのダンジョンに侵入したロジナ候国関連の人間から情報を収集していくつもりだ、貴女達はどうする気なのだ?」 ミリアリアはアイリスの言葉に相槌を打った後に3人に向けて問いかけ、それを受けた3人は暫く小声で話し合った後にリーナが3人を代表して口を開いた。 「あたし達は友好国のラステンブルク伯国に向かうつもりです、ラステンブルク伯国にはヴァイスブルク伯爵家の御令嬢マリーカ様が護衛の第一騎士団副団長のアナスタシア様と共に向かっているので生き残った者はラステンブルク伯国に向かう様に、と言うのが最後の指示でしたので」 「……そうか、ラステンブルク伯国に」 リーナの言葉を聞いたミリアリアはほんの一拍言い淀む様に沈黙した後に応じ、アイリスはただ1人その事に気付いたが素知らぬ風を装いつつ3人に問いかける。 「あたしは目覚めたばかりで国の事とかよく知らないの、あたしは彼女と一緒に暫くこのダンジョンから動く気は無いから一般常識程度の事で良いからラステンブルク伯国の事、教えて貰えるかしら?」 「あっ、はい、ラステンブルク伯国はこの森を挟んだ所に位置する国でラステンブルク伯爵家が統治しています、人間の国ですが我が国とは友好な関係を続けていて、この戦いの際には援軍も派遣して頂いています」 「ふーん、中々頼りになる国なのね」 アリーシャからラステンブルク伯国の簡単な説明を受けたアイリスはその内容と先程目にしたミリアリアの反応を比較しながら相槌を打ち、アイリスの呟きを聞いていたライナは頷きながら口を開いた。 「戦いがヴァイスブルク城周辺に及んだ際にヴァイスブルク伯爵様は累が及ばぬ様ラステンブルク伯国からの援軍に帰国して頂き、ラステンブルク伯国はその代わりにマリーカ様や脱出したヴァイスブルク伯国の者を保護して頂く様になっているのです、ですので我々もラステンブルク伯国に向かう予定です、ですが、その前に、その、あ、厚かましい願いになるのですが……」
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