作戦会議

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ここに至るまでの経緯を説明していたライナはその途中で言い難そうに口ごもり、その様子から言いたい事を察したミリアリアがアイリスの方に視線を向けるとアイリスは軽く右手を上げてそれに応じた後に3人に向けて口を開く。 「ラステンブルク伯国に向かうと言っても貴女達身体も心も相当消耗してるじゃない、魔王が造ったダンジョンで回復出来るか分からないけど、それでも良かったら暫く回復してから行けば良いわ」 「……あ、あの、ホントに良いんですか?あっこ、これは、信用出来ないとかそんなんじゃなくて、も、申し訳無いと言うか、なんと言うか」 アイリスの告げた渡りに舟は言葉を聞いたリーナはその鷹揚な内容に戸惑いの声をあげ、それを聞いたアイリスはゆったりと頷いた後にスラリとした美脚を組みながら傍らのミリアリアを一瞥した後に言葉を続ける。 「別に構わないわ、彼女が拒まない限り来る者拒まず去る者追わずよ、気にせず心身の回復に努めば良いわ」 「……すまない、貴女には迷惑と世話ばかりかけているな」 アイリスの答えを聞いていたミリアリアは申し訳無さそうな表情と共にアイリスに声をかけ、アイリスは穏やかな眼差しをミリアリアに向けながら口を開く。 「何度も言ってる筈よ、あたしは目覚めた魔王として好き勝手にやっているだけよ、貴女は気兼ねせずあたしを好きなだけ利用すれば良いのよ」 「……だが、私は貴女の眠りを妨げた上に今もこうして貴女の好意に甘えている、それでは、余りに……ッ!?」 アイリスの答えを聞いたミリアリアは更に言い募りかけたが、アイリスはその唇に右手の人指し指が押し当てる事でその言葉を遮り、アイリスの突然の行動を受けたミリアリアが驚きのあまり身体を硬直させていると、アイリスは更に中指をミリアリアの唇に押し当てながら言葉を続ける。 「……だったら、暫くこうさせていて頂戴、それがあたしの要望、いいかしら?」 アイリスの言葉を受けたミリアリアは笹穂耳まで朱に染めながら小さく頷き、それを確認したアイリスは押し当てらた指先からミリアリアの唇の柔らかな感触を感じつつ朱に染まったミリアリアの顔を愛しげに見詰めた。 ミリアリアの唇に指を押し当てながら朱に染まる顔を見詰めるアイリスの頬や耳も仄かな朱に染まっており、その様子を目の当たりにしたライナが思わず頬を染めていると、同じ様に頬を染めたリーナとアリーシャが小声で話し始めた。
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