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「でもさぁ~、今朝朝礼でいつも通りに挨拶してたし、今年は夏眠ないのか~と思ってたら、朝礼終わって教室戻った途端にスイッチ入ったよね」
クラスメートたちが遠巻きに話し合う。
皆なんだか、やけに、ずいぶん楽しげ。
「そういえば、七瀬家の両親って仕事ナニだっけ」
「お母さんは海外で大活躍中ファッションデザイナー! お父さんは国際弁護士だっけ?」
「それは契約バイト。本業はレントゲン技師だろ」
「それ短期バイトって言ってたよ。本業パイロットでしょ」
「それはパートだって。フェリーの船長してたよね」
「ソレ期間バイト。インドで象使いもしてたけど日にち限定って言ってた。父は資格マニアとも言ってたな」
シーン、と数秒沈黙の後。
クラスメート全員が声をそろえて言う。
「まぁ、どうでもいいよなあ」
生徒同士の妙な馴れ合い。
不思議な一体感のあるクラス。
と。
ヌラリ、と晴の背後に突然現れた1人の人物。
「開君を見てると胸がシャカシャカするゼ」
「ハ? しゃか……」
「出たな。ソレ、隣のクラスの奴で開のストーカー。神出鬼没で現れるては消える」
「はじめまして。中学校から学校限定、平日限定で開君のストーカーしている、僕が佐々木です。サ、サ、キ。開君の顔を見ることだけを生きがいに日々過ごしてます。あぁ、寝顔がキュ~トで癒される」
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