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「じゃあ、君ん家行こうか。開、ほら起きろ、帰る時間だ」
辻が熟睡中の神様を揺り起こす。
ヤバイっ!
ホンキで危機的状況のジブン。
なにか理由つけて、即刻理由つけて、ただちに理由つけて。
「大変重荷な事柄でほんとう無理なんで、謹んでお断りしたいでございまする」
「大丈夫。もしなにか問題が起きた時は……」
「辞退してもいいんですねっっ!!??」
「自力で解決してくれ」
「蹴ってもいいですか」
晴たちを遠巻きに眺めていたクラスメートたちが口々に言う。
「俺達の大事な生徒会長様を雑に扱ったら承知しねーからな」
「そーだそ-だ」
「恐怖の手紙送ってやる」
振り向いて、ギッと睨み。
クラスメートたちに向かい晴が言う。
「じ、じゃあ皆さんがお世話すればいいじゃないですか」
シーン、と数秒沈黙の後。
クラスメート全員が声をそろえて言う。
「ヤだよ、メンドクサイ」
「…………………………………………」
クラスメート全員のクビしめたい。
* * *
晴たち3人が出て行った後。
2年2組の教室では、残された生徒たちで臨時ディスカッションが勃発中。
「ナニあの亜紀のクラスメート」
「俺たち先輩に対して好戦的じゃね?」
「てか、パワフル? 野生児みたい」
「ド根性ありそう」
「無人島で最期まで生き延びるタイプ?」
自由気まま、言いたい放題のゆかいな仲間たち。
「ふぅん、なんつーか」
「ちょっと」
「あのコ」
「うん」
シーン、と数秒沈黙の後。
クラスメート全員が声をそろえて言う。
「気に入った!」
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